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歴史への招待 69) 決戦!関ヶ原

2017/08/21 6:08:

決戦!シリーズ第一弾の文庫版。
「決戦!関ヶ原」伊東潤他著 講談社文庫 978406293716

7人の作家が、7人の武将を取り上げ関ヶ原を描いています。
定説を覆す仮説あり、あまり取り上げられなかった人物に着目したりで、面白い「関ヶ原」を味わえます。
7本の短編でありながら、関ヶ原のキーパーソンの内面や行動をつぶさに描くことで、7本の短編が有機的に絡み合い、一つの作品「関ヶ原」に仕上がっています。

「人を致して」伊東潤
関ヶ原前に、家康と三成は裏で取引していた。
荒唐無稽とも思える仮説。裏取引は、豊臣家の武断派集団を一掃するため、平和な世には不要な集団を一挙に葬り去り、家康による天下の掌握と豊臣家の温存を計るための裏技だった。

秀吉が死に、後を託された利家が危篤となったころ、三成が密かに家康の元へ。
三成には利家亡き後、豊臣家に内紛が起こることが判っていた。加藤・福島ら武断派と三成らとの対立は、回避不能のところまで行きついていた。

三成は、家康の力で豊臣家の反三成派を戦場に引きずり出し一網打尽とすることで、豊臣家内での地位を盤石にしたかったのか、豊臣家の安泰のためには家康に天下を譲るほか道はないと本当に考えていたのか。

家康は、三成の罠を疑いながらも、人に致され続けた人生、今川義元、信長、秀吉と抑え込まれ続けた己の人生に決別すべく三成の誘いに乗る。

利家死後は、伏見城の攻防(鳥居元忠の奮戦:討死)以外二人の思惑通り進んで、関ヶ原を迎える。
三成は本当に武断派のみを叩くつもりだったのか。東軍敗色濃厚となった場合、家康との黙約を守る気持ちはあったのだろうか。

役者は家康が一枚上手だった。家康は事前に吉川広家の内応を取り付け毛利勢を封じ込め、小早川秀秋の裏切りをも画策していた。万一黒田、福島ら武断派が敗れたとしても、大垣あたりに退き、秀忠の徳川軍本体を待ち再戦すればよい。
しかし戦いは、小早川秀秋という切り札を切った家康=東軍が形勢を逆転し、勢いづく東軍は躊躇なく西軍=三成を叩き潰した。

関ヶ原の戦いは、わずか6時間で決し、終わってみれば東軍の圧勝となった。
もう決して人に致されることはない。人生初の安堵の笑みを浮かべた家康は、もう次の一手、この先の展開を考えていた。

この他に、
「笹を噛ませよ」吉川永青、「有楽斎の城」天野純希、「怪僧恵瓊」木下昌輝、「丸に十文字」矢野隆、「真紅の米」沖方丁、「孤狼なり」葉室麟、の6編。
いずれ劣らぬ錚々たる作家の「関ヶ原」もお楽しみに。

また、新刊「決戦!関ヶ原2」葉室麟他著 講談社 978406220457
も発売になっています。

PS:岡田准一さん主演(石田三成)の東宝映画「関ヶ原」が、8月26日(土)公開となります。
こちらの原作は、「関ヶ原」上・中・下 司馬遼太郎著 新潮文庫です。


橋本

歴史新刊「歴史の坂道」

2017/08/17 20:24

「歴史の坂道」中村彰彦著 中公新書ラクレ 978412150591

歴史作家、中村彰彦氏のエッセイ集です。
歴史の面白さは、華々しい合戦だけではない。歴史書や歴史小説には書かれていない裏話・余話を知ることは、歴史を表面的にとらえるだけに止まらず、そこに生きた人々をより深く知ることにも繋がっている。

中村氏のエッセイ集は、氏が小説・史論を書くために、史料を調査・発掘した過程で生まれた副産物のようなもので、内容は多肢にわたり非常に興味深いものです。

一例を挙げると、滝廉太郎の「荒城の月」の舞台は、会津の鶴ヶ城だった。
その他、全54編のエッセイ集。お楽しみください。

【おすすめCD&DVD】KaBoSベル店

2017/08/17 14:55

★★ディズニー&ジブリ&シング20%オフセール!!★★
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KaBoSベル店

【おすすめ玩具:ハンドスピナー】KaBoS宮前平店

2017/08/17 7:57:

「あらゆる事象には因果がある。」
果たして本当にそうだろうか……因果の理から逸脱した存在は許されないのだろうか……


その反例を我々はすでに知っている。
因果律に縛られた私達を救済するかの如く颯爽と現れ、瞬く間に世界中の人々の心を鷲掴みにした存在。
そう、ハンドスピナーだ。

ハンドスピナーとはなにか。端的に説明すれば独楽のように回して遊ぶ、手のひらサイズの玩具だ。
それだけ?そう、それだけだ。しかしそこには無限の宇宙が確かに広がっている。

時計の針、対流、DNA、銀河、シャケ、そして輪廻……ミクロなものからマクロなものまで、この物質世界ないし概念世界の根幹を成すのはすべて螺旋、および円環構造により成り立っている。つまり回転とはこの世界、宇宙そのものなのだ。

ハンドスピナーを回し己の手の内に宇宙を感じること、それはすなわち禅に他ならない。

そしてそれが禅である以上、ハンドスピナーを回すことに目的や意義を問うのはナンセンスなのだ。

視野を広く持てだの、やたらと自意識の拡大や外側への指向性が謳われている現代社会。たまにはハンドスピナーを回し、己の内へと意識を持っていく時間があってもいいのではないだろうか。

KaBoS宮前平店

歴史への招待 68) 野望の憑依者(よりまし)

2017/08/11 6:47:

足利家執事、高師直(もろなお)と高氏(後の尊氏)は、足利勢二千を率い、総大将名越高家の元、反乱軍鎮定に向う五万七千の軍勢の一翼を担い、鎌倉を立ち上洛途上にあった。

1331年、元弘の乱で挙兵した後醍醐天皇は、鎌倉方の大軍に完敗し、隠岐へ配流されていた。
しかし、帝の三男護良(もりよし)親王を中心に、河内の楠木正成、播磨の赤松円心らが再度挙兵、反乱の野火は瞬く間に広がり、またも武力討伐をせざるおえなくなっていた。

こたびも鎮圧できるのだろうか。不安に思う師直は、高氏・直義兄弟に敵方を探るよう提案し受け入れられる。
案の定、宮方に付くものは多く、西国は反鎌倉一色に染まっているとの風説まで。
足利勢は後醍醐帝に内応を誓いながらも旗幟を鮮明にせず、日和見を決め込み、総大将高家が敗れると、宮方を表明し六波羅を攻め落とす。

尊氏と直義は、建武新政では多大な報奨と官位を得るも、政治の実権からは遠ざけられる。
尊氏は謀叛を疑われ追い詰められていくが、旧鎌倉勢力の反乱に乗じて、敵方を破り鎌倉に居座り、勢力拡大を図った。
尊氏が巻き返しの為、君側の奸新田義貞を討つことを表明し上洛軍を起こすと、後醍醐帝は尊氏・直義兄弟追討の綸旨を下し追討軍を差し向ける。

賊軍となったことで意気消沈引きこもってしまった尊氏。主君のいない上洛軍は、三河、駿河で大敗したが、師直が尊氏を奮い立たせたことで形勢は逆転、敵方の内応もあり箱根で大勝。
尊氏は勢いをかって上洛するが宮方奥州軍が到着するや、またもや逆転、京を落ち九州へ。
九州では、宮方を奇跡的に破り、反撃に転じ、兵庫湊川での大勝により京を回復する。

一連の紆余曲折を経て、尊氏は新帝より征夷大将軍に任じられ幕府を開き、後醍醐帝は吉野に退き南北朝の二帝時代に入る。
共通の敵がいなくなると、仲たがいを始めるのはいつの世も同じ。元々性格的にも合わなかった師直と直義は、足利政権ナンバー2の座をめぐって主導権争いが激化していく。

鎌倉幕府の政治を理想とする直義は、公家や僧侶と武士の共存を図り、しかも武功や能力よりも家格や嫡庶で武士を差別することが政権の安定につながると思っていた。
力=能力・実績のあるものを抜擢、優遇させようとする師直と、ことごとく対立する。

遂に二人の仲は決裂、先手を打ったのは直義。師直暗殺を企て未遂に終わるが、尊氏を動かし師直を隠居させ一切の政務から身を引かせた。
まさか直義が、自分の暗殺まで企むとは思わなかった師直の油断が招いた結果だったが、政権を掌握した直義にも隙が生じ、わずかニケ月後には師直の弟師泰に逆襲され尊氏の屋敷に逃げ込むことになる。

師直は尊氏邸を包囲するも迷っていた。
足利家家宰として尊氏一筋に仕えてきた自分と、力がすべて力あるものが天下を支配するという野望との葛藤の末、義直の隠居で決着させてしまう。
尊氏に対し非常になりきれなかった師直の手から、掴みかけていた天下はすり抜けていった。

その後、師直と高一族は、汚名と共に悲劇の結末を迎えることになる。

「野望の憑依者」伊東潤著 徳間文庫 978419894235


橋本

【☆予約受付中☆ 宮下奈都さん新刊 『つぼみ』 8月18日発売】

2017/08/10 12:29

『つぼみ』 宮下奈都著 光文社 1620円

宮下奈都さんの待望の新刊『つぼみ』が間もなく発売になります!
あの『スコーレNo.4』のスピンオフ作品3作を含む6作からなら短編集です。

あたたかくて、軽やかで、ちょっぴり切なくて、やさしくて・・・読み終わった後は、思わず鼻歌を歌いたいような気分になる、幸せいっぱいの作品です。

発売は8月18日予定。ただいまご予約受付中です!

「発売まであとちょっとだけれど、待ちきれない!!」という方、『スコーレNo.4』を読んでみませんか?
一度読んだことのある方でも、『つぼみ』を読み始めると、懐かしい人たちが出てくるので、きっと『スコーレNo.4』を読み返したくなると思います♪

本店 樋口

【おすすめコミック】KaBoS宮前平店

2017/08/08 18:08

『マンガでわかる!Fate/Grand Order@』2017/08/02発売
この一冊でFGOの全てが分かる――!?

2015年7月31日から配信を開始し、売り上げランキングでも常に上位に食い込んでいる、ソーシャルネットワークゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」。このゲームの公式サポート(?)漫画こそ
が、この『マンガでわかる!FGO』です。
まずFateシリーズとは2004年に発売されたTYPE-MOONのコンピューターゲーム「Fate/stay
night」に端を発する人気シリーズで、様々なスピンオフ作品が登場しています。
Fateシリーズは万能の願望機「聖杯」を求めて、魔術師である「マスター」たちが争う「聖杯戦争」が主に描かれています。中でも魅力的なのが、マスターの召喚する「サーヴァント」です。サーヴァントは過去の英雄・英霊などを現代に召喚したもので、ギリシャ神話、ケルト神話、各地の伝承などの由来を持っています。
そして、それぞれのサーヴァントは自らの逸話に由来する技や弱点を持っており、これらの設定の精緻さこそがこのシリーズがここまでの盛栄を見せた理由ではないでしょうか。

FGOはFateシリーズのソーシャルネットワークゲームで、一人のマスターが人類史を救うため、多くのサーヴァントを召喚し、ねじれた歴史を修正していく物語です。
現時点で167体ものサーヴァントを召喚することが出来、Fate/stay nightやスピンオフ作品のサーヴァントたちはもちろん、多くのオリジナルサーヴァントも描かれています。またシナリオ部分も、原作者の「奈須きのこ」はじめ、多くの人気シナリオライターが名を連ねており、無料とは思えないクオリティと評判を集めています。8月2日からはこの『マンガでわかる!FGO』のオリジナルイベントも開催されており、劇中のサーヴァントが新キャラクターとして登場しています。

FGOからの新規参入者が非常に多く、盛り上がりを見せるFateシリーズですが、今年の10月14日にはFate/stay nightの第三部「Heaven’s Feel」の公開も決定しています。あなたもこ
の漫画を読んでFateの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

歴史新刊「観応の擾乱」

2017/08/04 5:44:

「観応の擾乱」 亀田俊和著 中公新書 978412102443

将軍、足利尊氏と弟直義の幕府開設初期の対立を発端にした内乱。
一口に言えば、尊氏・幕府執事高師直と直義・直冬(尊氏の子でありながら認められず直義の養子となる)の権力争いであるが、結末までには二転三転することに。

当初、師直追い落としを計る直義がまず一勝、巻き返しを図った師直が隙をついて逆転するも、尊氏の優柔不断で直義派を一掃できず、南朝方と手を結んだ直義と直冬による巻き返しにあい師直は殺されてしまう。

尊氏が弟に敗れたとも言えるのだが、尊氏はその後も将軍として健在で、乱の裏側や尊氏と直義の関係はおもしろい。

歴史への招待 67) 徳川宗春 尾張葵風姿伝

2017/08/01 5:57:

通春(みちはる:後の宗春)が初めて江戸の地を踏んだのは、16歳の春だった。
御三家筆頭尾張藩、第三代藩主綱誠(つななり)の御曹司とは言え、二十番目の男子「御あてがい様」では共の者五人という少なさだった。

「御あてがい様」とは、跡継ぎになれなかった大名の二男以下の公子で、分家もされず養子口もなく、一生部屋住みで暮らさざるおえない身である。

通春が出府してしばらくすると尾張藩に凶事が続く。藩主吉通(よしみち)が七月に病没し、嫡子五郎太が三歳で襲封したが、十月に高熱を発しあっけなく逝ってしまった。

吉通の子は他にいない。綱誠の男子は全部で22人生まれているものの、大部分が早世しており、この時まで残っていたのは継友、義孝、通温(みちまさ)、通春の四人のみ。
このうち、義孝は尾張藩分家四谷家へ養子に出ており、最年長の継友が藩主の座に就いたのだが、後に通温が不行跡により蟄居の身となり、通春は「御控え様」に。

「御控え様」。藩主に世継がいない場合、藩主にもしもの時跡目を継ぐ立場になったのだが、藩主継友はまだ若く、今後世継が出来る可能性は高く、通春の気ままな生活が変わったわけではない。

ひょんな事から知り合いとなった浄瑠璃作者、近松門左衛門。門左衛門を通じて知り合った黒表紙屋(黒表紙=戯作評判記)の六郎次。
彼と連れ立って出かけるのは、芝居小屋や矢場、湯屋であったり、うなぎ屋やももんじ屋(獣肉屋)、水茶屋にもしょっちゅう立ち寄る。時には岡場所や吉原までも。
とても、尾張の御曹司の出入りするような場所柄ではなかったが、おかげで庶民の暮らしぶりをつぶさに見ることが出来た。

世は、八代将軍吉宗の時代。享保の改革で質素倹約が喧しい時代となっていた。
「江戸の町から色が消えた」。奢侈追放で、身にまとうものが対象となり、若い娘までもが粗末な木綿を着、髪飾りも遠慮しろと。衣服だけでなく、美食や、酒・たばこなどの嗜好品も控えろ。芝居や色里も禁止では、町は灯が消えたようで、庶民から笑顔も消えた。

享保14年、通春に転機が訪れる。陸奥梁川三万石の四代目藩主への襲封が決まる。
お祝いに駆け付けた六郎次に「どんな大名になってほしい」と問うと。
「自分の好き嫌いを民百姓に押し付ける大名になって欲しくない」
「人が何を楽しみに生きているかわからない」「やたらと何でも禁止する大名にはなってほしくない」
いずれもご政道に対する批判であった。

しかし、領国梁川へ入府もしない間に、翌年兄継友が病没し、思いがけず尾張藩六十二万石を襲封することになった。
宗春は、初の国入に際し無難とは程遠い「かぶいた姿」で、お国入を果たす。
新しい藩主がどんな男か知りたがっている領民に、自分の姿を見せてやらねばならぬ。尾張を江戸に劣らぬ活気あふれる豊かな土地にしたい。新藩主の意気込みの表れであった。

宗春は、まずは祭礼、それも派手で元気な往事の祭礼の復活を考えた。藩主自ら祭りを主催したり、地元の祭りに参加し大いに祭りを盛り上げた。
秋には、茸狩りや歌舞伎座興行、申楽など、藩主が先頭を切って参加し、翌年には遊郭の開設も認めて、名古屋はにわかに活気づくことになる。

しかし、宗春人気が名古屋で、江戸で、高まれば高まるほど、苦々しく思うのは将軍吉宗だった。
兄継友が臨終の間際に掛けたことば「むちゃをして怪我をするな」が現実になろうとしていた。


「徳川宗春」高橋和島著 光文社文庫 978433477504


橋本

【自然科学フェア】KaBoS宮前平店

2017/07/31 9:10:

KaBoS宮前平店では夏になり、自然科学フェアを開催しております。
皆様、夏そして科学といえば小学生の頃の「自由研究」を思い出すのではないでしょうか。
「10円玉をきれいにする」「レモンで電池を作る」など、小学生の頃は(少なくとも自分は)つまらなく感じていた自由研究ですが、思い返してみると大人でも興味が湧くような魅力的なテーマで溢れています。

実際、小学生の自由研究の内容をきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。


私達の生活には科学が深く関わっています。
信号機からスマートフォン、石鹸から合成繊維、そして車から人工衛星
と今までよく考えて来なかったけれど疑問に思えることを、周りからたくさん見つけることが出来ます。
これを読んで「確かになぜだろう」と思った方、それこそが科学への第一歩だと思います。
「『混ぜるな危険』がある理由」、「ミントでスーッとなる理由」、「ビーカーってなんであの形なんだろう」、少しでも疑問に感じた方は小学生の気分に戻って、この夏、久しぶりの自由研究に取り組んでみてはいかがでしょうか。

KaBoS宮前平店