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2017.11.27 つぶやき
【おすすめの本】『屍人荘の殺人』本店
今年読んだミステリの中で、個人的には断トツのおもしろさでした!
とにかく、とにかく、読んでみて下さい!

大学生・夏休み・合宿・ペンション・密室・・・と言うと、なんだか、ミステリにありがちなキーワードで、なんとなく展開が予想できますよね?
この作品も、こんなキーワードの通りに話が進んでいくのです・・・が!!
途中で「まさかの展開」が・・・この「まさかの展開」が本当にとんでもない!(いい意味で)
正直、一瞬、「えーーっ、そっち!?」と思いましたが、読み進めるうちに、あまりのすごさに心臓がバクバクしました。おもしろすぎてバクバク、これは今とんでもなくすごいミステリと出会っているのではないかという興奮でバクバク、「まさかの展開」が起きてからはページをめくる手がとまらず、一気読みでした。

キャラ、設定、この展開でしかありえない謎、動機、どこをとってもすごすぎて、惚れ惚れしてしまいます。
読めばきっと、強烈に印象に残るミステリになると思います。この作品と出会えたことは、私の中ではひとつの大きな出来事になりました。
さっきから何度も「すごい」という言葉を使っていますが、本当に、本当に、すごい作品です。
担当者が自信を持って、猛烈におすすめいたします。読むときっと、誰かに自慢したくなるくらいのおもしろさだと思います。たくさんの人に読んでもらいたいので、もし誰かに自慢したくなったら、ぜひ自慢して、この本をどんどんおすすめして下さい!!

最後にひとつ、この作品を最大限に楽しんでいただくために、本の最後のほうに載っている参考文献のページは先に見ないほうがいいと思います。あと、これは先に見てしまっても大丈夫なのですが、冒頭の登場人物紹介のページで、もしもちょっと気になる箇所があったとしても、できるだけ考えずにスルーして読み進めて下さい。登場人物は多めですが、それぞれ覚えやすい名前になっているので、個人的には登場人物紹介は読まなくても大丈夫なくらいだと思います。

『屍人荘の殺人』今村昌弘、東京創元社、1836円、9784488025557


本店 樋口
2017.11.21 つぶやき
歴史への招待 78) 冬を待つ城
久慈四郎正則は、長兄九戸政実(まさざね)の居城のある二戸へ向けて、雪の山道を急いでいた。
政実が、三戸城を居城とする南部信直への新年参賀を欠席すると聞いたから、直接兄の真意を問うためだった。

元々、九戸家は南部家の支流で、南部家を名目上の主家と仰ぎながらも、対等に近い間柄だった。
しかし、秀吉の奥州仕置により、中央集権化を計る豊臣政権は、南部家を主家と認め、九戸ほかの諸家に南部への臣従をもとめた。
今、新年参賀を拒むことは、豊臣政権への反逆とみなされ、南部もろとも滅ぼされてしまうに違いない。

しかも、南部信直と政実の関係は険悪と言ってよい。
それは南部家先代晴政没後、嫡子晴継の不慮の死への疑惑と、その後の家督争いに於いて、信直一派の力による相続に、政実が異議を唱えていたからである。

とは言え、ことここに至っては、我を折って参賀に赴かねば戦になる。
中の兄、実親と相談の結果、三男康実と叔父で長興寺の薩天和尚にも入ってもらい、家族会議を開き、政実を説得し、ようやく正月参賀に行くことを約束させることが出来た。

しかし、正月参賀の日、政実は参賀に訪れなかった。
正則はじめ三兄弟は窮地に立たされ、政実の嫡男亀千代を証人に出し、政実が信直に対面しわびを入れることを約して、かろうじてその場を繕った。

やっと和解の対面を迎えた日。政実が明らかにしたのは、恐るべき豊臣政権の人狩りの話だった。極寒の地、朝鮮への出兵に備え、奥羽の人々を人足として徴発すると言う。
信直にこの件への対応を迫るも、政実の話を信用せず、和解は物別れとなった。
しかも、その場で政実が刺客に襲われるに及び、両家の間は修復不能となり、ついに開戦に至ってしまう。

政実が刺客に襲われたことも、南部と九戸の対立を煽っているのも、豊臣政権のある人物の思惑があった。朝鮮で使役する人狩りだけでなく、九戸の領内で産出する良質の硫黄も目当てだったのだ。

南部、九戸両家は与党を募り、攻防は一進一退、決着が付かず、信直救援の名目で、豊臣の第二次奥州征伐がはじまった。
秀吉は、六月に軍令を発し、伊達や蒲生、奥州の諸将だけでなく、上杉景勝、徳川家康を参軍させ、甥の秀次を総大将に据え、十五万の大軍で攻め寄せてくる。

誰れが見ても政実らに勝ち目はない。
しかし、政実には負けない目論見が出来ていた。
元々要害の地にある九戸城を改修し、より攻めにくくし、鉄砲をはじめ武器、弾薬、兵糧を十分に蓄えた。
そして、伊達正宗に和議の斡旋を依頼し時を稼ぐ。今は八月、旧暦の八月は奥州では秋。十月には奥州の早い冬が訪れ、一面の野山を雪に埋もれさせる。

和議は成らず、征伐軍が動き出すと、山間の地形を利用し、遊撃軍や一揆勢を要路に配置し、輜重部隊や行軍の伸びきった諸将の部隊を襲い、進撃を阻んだ。
さらに、九戸城下の住民を避難させ、一帯を焼け野原とし井戸も潰した。
大軍が、九戸城を囲んでも、陣屋を造る材木すらない。

冬が来れば、大軍であることがかえって苦になる。陣小屋もなく、暖を取る薪もなく、兵糧も届かなければ全滅しかない。
政実ら九戸勢の待ち焦がれる冬は、もうそこまで来ていた。


「冬を待つ城」安倍龍太郎著 新潮社文庫 978410130527


橋本
2017.11.20 つぶやき
【おすすめの本】SuperKaBoS鯖江店
『2.43 清陰高校男子バレー部 代表決定戦編@』
壁井ユカコ 集英社 978-4-08-745660-8

福井県を舞台にした壁井ユカコさんの大人気青春スポーツ小説『2.43』シリーズ。
単行本2冊目の『2.43 清陰高校男子バレー部 second season』がついに文庫化!

代表決定戦編≠ニ改題し11月に@巻が、12月にA巻が発売予定です。
(文庫化で二冊に分かれました)

単行本には収録されていない短編もあります。
表紙は山川あいじさん書下ろしです。

ライバル校福蜂工業高校<Gースで主将・三村統とマネージャー越智光臣。
彼らの登場でこの物語は清陰高校≠セけのものではなくなります。
どちらにも負けられない理由がある。
背負ったものがある。
それぞれの想いを受け止めて読み進めたあなたが、物語の終盤でどちらを応援したくなるのか・・
是非読んで確かめてみてください!

みなさまの御来店をお待ちしております。

SuperKaBoS鯖江店 峯森
2017.11.12 つぶやき
歴史新刊「西郷隆盛と勝海舟」
「西郷隆盛と勝海舟」 安藤優一郎著 洋泉社新書 978480031355

西郷隆盛と勝海舟の出会いは、蛤御門の変以後、西郷が第一次長州征伐の参謀に選任された頃である。
幕臣でありながら雄藩連合を支持する海舟との出会いが、西郷を大きく変える。

公武合体から雄藩連合、さらには尊王討幕へと藩を欺いてでも導いていく。
東征軍にあっては、長州らの恨みを抑え、江戸城無血開城を成し遂げた。

幕臣勝、討幕軍西郷、立場の違いを乗り越え、日本国を西洋列国の魔の手から救うために奔走した二人。二人は対極にありながらも、最大の理解者であり続けたのでした。
2017.11.11 つぶやき
歴史への招待 77) 利休の闇
足軽大将、藤吉郎二十八歳。
誰もがあっけにとられる大出世だが、当の藤吉郎本人は全く満足などしていない。

「何かが足りない」。自分に足りないものは何かを探し求める藤吉郎が、もしやと思い当たるのが、この頃流行の、茶事だった。
主君信長は、上洛を契機に将軍家、公家らとの付き合いから茶事に身を入れるようになる。
茶事を愛でることは優雅さ、上品さを現し、尊敬を集められる。そんな効能があるようだ。

藤吉郎も喫茶の作法を学ぼうと、織田家出入りの茶人今井宗久や津田宗及に密かに願い出るが、足軽大将ごときに教えられないと断られてしまう。
屈辱と途方に暮れる中、救いの手を差し伸べたのが、同じく織田家出入りの茶人千宗易(後の利休)だった。

初めての茶席は、宗易の弟子を見よう見まねで、つつがなく経験できた。
宗易から感想を求められると、「易しい事をわざとめんどくさく難しくしている茶道に困惑している」と述べたが。
「たかが茶道、されど茶道。すべてが遊びにすぎないが、されど遊びは難しくするほど奥が深く、面白くなる」と返される。
師宗易と弟子秀吉のつながりはこの日から始まった。

弟子入りから十余年。
宗易は、信長の「茶の湯御政道」に欠かせぬ茶頭となり、秀吉も中国方面軍司令官として確固たる地位を固めていた。
その頃の秀吉から宗易への書状の表書きは「宗易公」であり、宗易から秀吉へは「筑州」。師匠と弟子の関係は続いていた。

この関係に変化が訪れるのは、本能寺以降である。
謀叛人明智光秀を討ち、翌年柴田勝家を破ると、織田家で秀吉に対抗できる勢力はなくなる。
紆余曲折するも、家康も臣従し、毛利、上杉もなびくと、九州征伐、北条征伐、奥羽征伐と天下取りへの道を突き進み、瞬く間に秀吉は天下人となってしまった。

天下人となった秀吉と宗易の関係は、秀吉からは「宗易」と呼び捨て、宗易からは「秀吉さま」に変わったが、蜜月と言われる良好な関係は続き、表向きのことは秀長に、内々のことは宗易にとまでいわれるほどの信頼関係を築いていた。

ある時、「宗易の自邸の庭に美しい朝顔が咲き乱れているらしい」そんな噂を聞きつけた秀吉は、宗易の屋敷に密行した。
「ありのままが見たい」から、早朝の電撃訪問に係わらず、前日の深夜にしか知らせなかった。
しかし、秀吉の見た光景は悲惨の一語に尽きた。花もつぼみもすべて刈り取られていた。

さらに不快なことは茶室への入り口が「にじり口」しかなかったことだ。
にじり口は、入る時も、出る時も頭から先に、首から先に出るから無防備状態となり、いやしくも武将の、まして関白である自分の取るべき姿ではない。

ようやく中に入り、顔を挙げると、床に紫の朝顔が一輪生けてあった。
「一点への美の凝縮」意味するところは解るし、効果も絶大だ。しかし、「花は野にあるままに」宗易自身の教えに背くものではないか。

この時生まれた秀吉と利休の亀裂は、その後茶の湯の考え方の違いから決定的なものへと進んでいく。
黄金の茶室に代表される豪華絢爛な茶、北野の大茶会のような一般大衆に広く親しめる茶を是とする秀吉。
対して、詫びさびを追及し、茶道の規則を細かく定める利休。
「たかが茶道、されど茶道。」
退くに退けない二人の対立は、悲しい結末を迎えることになる。


「利休の闇」加藤廣著 文春文庫 978416790938

橋本
2017.11.10 店舗
【LaQワークショップ開催】SuperKaBoS新二の宮店

11/11(土) 11時〜17時に、SuperKaBoS新二の宮店において
LaQのワークショップを開催いたします。

LaQ(ラキュー)とは・・・
たった7種類の小さなパーツから、平面・立体・球体とあらゆる形に変化する全く新しい
発想から生まれたパズルブロックです。

ワークショップでは、お子様限定で作品を作っていただきプレゼントいたします。
(参加費無料ですが保護者様同伴でお願いします。)
当日のみのおとくな購入特典もございます。
みなさまのご参加お待ちしております。

                   SuperKaBoS新二の宮店
2017.11.06 つぶやき
【おすすめの本】KaBoS宮前平店
人生は選択の連続である。

これは我々の実生活においてそうであるように、物語の登場人物たちにとっても変わることはない。物語の重大な局面において選択を迫られた際、多くの場合(もちろんそうでないものも多数あるが)、主人公たちは勇気ある決断―倫理的に正しい選択でもって前へと進んでいく。しかし、誰もがその選択をできるわけじゃあない。

『恥知らずのパープルヘイズ』。この作品はそのような選択をできなかった少年の物語である。

本作は人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ小説であり、主人公たちのチームからドロップアウトしてしまった少年が、その時の自らの選択、ひいては今までの人生を振り返りながら自らのあり方を模索していく様が描かれている。

原作コミックをすでに読んでいることが大前提となる、という点で若干ハードルの高い作品ではあるものの、そこで描かれていることは誰もが共感出来うるであろう、非常に普遍的なものとなっている。
一方で原作のファンが読んでも「今自分が読んでいるものは作者も違えばコミックでもない、だが確かに『ジョジョ』である。」という実感を十分に得られるほど、原作の世界観に忠実に書かれているおり、違和感なく読み進めることができる。また、この度の文庫版巻末にて収録された解説も非常に読み応えのあるものとなっている。
原作コミックを読んだことのない人にもおすすめしたいところではあるが、まずは原作履修済みの方ならばぜひとも手にとっていただきたい一冊。
2017.11.01 つぶやき
歴史への招待 76) 翻弄(盛親と秀忠)
長宗我部盛親は、関ヶ原の東のはずれ南宮山の麓に布陣していた。
元々、上杉征伐に参加するため大坂に上ったが、家康は東征に出た後だった。さらに驚くことに公儀の軍であったはずの家康ら東征軍は、賊軍となり、毛利を総大将に家康を討つという。

公儀に逆らう訳にいかず、西軍に属し南宮山に至る。
開戦後の戦況は、山の向こうなので全くわからない。南宮山に布陣する毛利の後詰を命じられたため、前出ることもかなわない。

苛立ちと焦燥の中、思いがけない一報が。「御味方、総崩れ」
西軍は、小早川秀秋の裏切りと、毛利の内応により、あっけなく崩れ去った。
敗走の中にも、軍を纏め、池田輝政、浅野幸長の追撃を一蹴し、大阪へ退いた。

再戦を望む諸将をしり目に、豊臣家は家康方東軍を公儀の軍と認め、盛親ら西軍を賊軍として、保身を図る。
戦らしい戦をしておらず、家康に刃向ったつもりのない盛親は、武装抵抗派と恭順派の狭間に立たされるが、家康家臣井伊直政を頼り、大坂屋敷で謹慎する。
しかし、見せしめのためもあり長宗我部家は改易となった。

一方の、秀忠は徳川家主力軍を率い、中山道を進む。
西軍に付いた上田城の真田昌幸、信繁親子を鎧袖一触、血祭りにあげようとするが、巧みな戦術に阻まれ無為に時を過ごしてしまう。
家康から、美濃へ急行せよとの書状を受けて、あわてて西上するが長雨にも祟られ、痛恨の関ヶ原への遅参。
戦勝祝いと遅参の詫びに家康を訪ねても、会ってももらえない。
さらに、関ヶ原で同じく初陣の弟忠吉は、島津豊久の首級を挙げる手柄を立て、豊臣諸将の絶賛を浴びているという。

苦悩する秀忠を救ったのは、父家康の冷徹な判断だった。
家臣の多くは、秀忠と共に関ケ原には参戦できず負い目を感じている。ここで世継を忠吉に変えるならば、家康以後、家中は割れる。
これからの世は、戦巧者ではなく、政の巧みな為政者が求められる。家中の不和は最も忌むべきことである。
大人しく意のままになる秀忠は、世継ぎとして残ることが出来た。

関ヶ原から十余年。
家康の温情を待ち続けた盛親も限界に達していた。
豊臣と徳川が一触即発となり、豊臣から土佐一国をとの誘いを受けて、大坂に入城。
大坂冬の陣、夏の陣で長宗我部の武威を示すも、望み叶わず囚われ打ち首となる。

秀忠は、最後の戦い、大坂の陣に長年の汚名挽回と奮い立って参陣するも、夏の陣では戦況を見る目がなく、軍を混乱させ豊臣方に付け込む隙を与えただけで終わった。

関ヶ原の戦いで運命に翻弄された二人。
一瞬の判断が、取り返しのつかない結果を招く。と言い切るのは当時の若い二人には少々酷な話かもしれない。

運命と家康に翻弄され続けた二人が解放されるのは、盛親は自身の死によって。
秀忠は、大坂の陣翌年の家康の死によってだった。


「翻弄 盛親と秀忠」上田秀人著 中央公論新社 978412005005


橋本